ラン、植物栽培は環境で作る。
ランを、作物を、植物を栽培する場合、最高の成果が上がるのは、
ラン、作物、植物の遺伝的性質。
栽培エリア、場所の条件、環境。
栽培者の能力。
以上の三つの要素が最高に組み合わされた場合である。
作物栽培の場合適地適産というのはほとんど絶対的条件である。
一時的に無理を重ねて特産になっても、何十年後には・・・この法則の前に姿を消す。
明治に全国で「サクランボ」が試作された。
適地を検索するのに全国各県で試作した。
そして、生き残ったところが・・・トルコの原産地の気候に近い、
宇井清太の住む寒河江市ほか山梨、長野の一部エリアである。
横道にそれたが、ラン特に洋蘭では、最初から温室を準備し、
ある程度まで環境をコントロールすることを前提にした栽培である。
現在、この環境を整える機器はほぼ完成しているから、
これをどう使いこなすかという能力である。
それには、ランを知らなければ、適確に機器を動かすことは出来ない。
暖房、湿度・・・・温室一つ一つ異なるから、管理能力が問われることになる。
この環境条件を考える場合、
ラン栽培の場合は、ほとんど地上部の葉、茎、花と取りまく環境に重点が置かれてきた。
しかし、環境条件で最も重要なものが根の環境である。
つまり用土である。
ところが、不思議なことに、ラン栽培から「ランは菌根植物」という最も重要で、
ラン科植物の根本の性質が削除されてきたのである。
ランは菌根植物という根本からの視点で、用土が研究され、論じられ、
開発されたコンポストがなかったということである。
つまり、誰もラン菌が生息する用土の開発を行ってこなかった。
ランの環境を考える場合、ラン菌が生息する自生地の根圏のエリアは、
最も重要な生育環境であるが、これが削除されたまま、
根本を削除したまま、アレコレ栽培法が模索されてきたということである。
つまり枝葉末節をいじってきたということである。
ラン栽培のモデルは、イギリスのキューガーデン。
この世界に冠たる植物園の狙いは、植物分類学の標本コレクションではない。
産業になりうる植物の検索であった。
だから、温室内に植物の自生地を再現する研究が行われた。
日本のラン栽培は、キューガーデンに学んだから、
日本の趣味家温室はミニミニミニ・・・キューガーデンである。
小さな温室に適地など作れないが・・・・・。
若し、作れたとしても、ラン菌のいない水ゴケ、バーク・・・で植える限り、
自生地を完全に作り上げたことにならない。
用土の問題が、最後に残った大問題だった。
植物栽培の「根本」は根の本である。
原理原則。
細かに、細かに植物分類学では違いが指摘され、論じられる。
しかし、ランのプトトコームの観察では、ランの違いを見分けることが出来ない。
植物分類学の限界である。
しかし、その小さな違い超えて、ラン科植物全てに共通するものから、
ランの環境を俯瞰すれば、ラン栽培における根本が見える。
枯れ葉、植物の死骸が必ずあること。
ラン菌が生息していること。
プロトコームが生きられる湿度があること。
以上の三つの要件が備わっているところがランの根圏である。
胚乳を持たないラン種子が芽生え、プロトコームが生育できる環境条件、栄養条件。
このことがラン栽培する上で最も重要な環境条件である。
つまり菌根植物、プロトコームから構築されたラン栽培法がなかったということである。
ラン菌が生息している用土を開発出来なかったからである。
このことによって、肥料浸けのラン栽培が横行し、ラン栽培は200年全然進化することはなかった。
これまでの用土には、上記の三つの重要な要件が具わっていなかった。
ということは、その他の条件整え、努力しても、栽培者に能力があっても・・・
リービッヒの最少律の法則の通り、その栽培成果は低水準になる。
壁がある。
限界がある。
これを一口で現わせば、ランは「難しい」。
ランは作れば、作るほど難しくなる!
根本が欠落した・・・土台のない砂上の楼閣・・・・それが現在のラン栽培である。
これが一挙に解決した。
宇井清太によるラン菌の発見である。
自生地のおける枯れ落ち葉の炭素循環を再現出来るSUGOI-neの開発。
プロトコームが生き続ける湿度を維持継続する潅水法「ペクチン潅水法」の開発。
これで、ほとんどのランが無造作に作れることになった。
これまでの栽培法と180度転換の栽培法である。
イジメて、泣かせてのラン栽培から、
愛して喜びにあふれて花を開くラン栽培法である。
これがSUGOI-neによるラン菌炭素循環ラン栽培法である。
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